巨人・阿部監督「本人も痛いしチームも痛い」岡本長期離脱でも打線組み替えズバリ プロ初3番起用・若林楽人が先制2ラン
2025年5月8日(木)5時10分 スポーツ報知
初回1死二塁、若林楽人が左越えに先制2ランを放つ(カメラ・清水 武)
◆JERA セ・リーグ 巨人6−4阪神(7日・東京ドーム)
主砲の無念の思いを背負って結束した。阿部監督は就任後初めて岡本不在のメンバーで打順を組み、泉口、キャベッジを1、2番に起用。若林をプロ初となる3番に抜てきし、岡本に代わる第92代4番には吉川を据えた。今季6試合目の東京Dでの阪神戦で初勝利。「やっと東京ドームで勝てたのでホッとしています」と待望の白星をかみしめた。
前日6日の阪神戦で岡本が左肘を負傷。当初は筋損傷で全治1か月程度とみられていたが、この日の再検査でじん帯損傷と診断され、全治3か月程度の見込みとなった。前半戦の復帰は絶望的。試合前のベンチ裏でのミーティングでは選手に一致団結を呼びかけた。
「和真はな、本人も痛いしチームも痛いんだけど、みんなで一丸になるチャンスだと思ってさ。そうやって思ってみんなでやっていこうよ。本人が一番つらいだろうし、いろんなもの背負ってやってくれてたと思うんで。それをみんな、その気持ちをちゃんとくんであげてさ、なんとか戻ってくるのを待ってなんとか辛抱してみんなで頑張っていきたいなと思ってるんで」
初回に若林の2ランで先制した。4回には坂本の決勝二塁打の後、2死満塁から泉口が門別の初球を左前2点適時打。「ファーストストライクを振りにいけたし、メチャクチャ大きい追加点だった」とたたえた。続くキャベッジも米国から観戦に訪れた家族の前で右中間に適時二塁打を放ち、この回6者連続出塁の猛攻で4点目。「キャベッジを2番に入れて。3割打ってる若林を3番に入れて」と上位に好調の打者を並べる作戦が成功。3安打猛打賞の泉口を筆頭に「イズ・キャベ・ワカ」が躍動した。
吉川には「4番だから長打を打ってほしいとかはないので。今できるね、一番いいバッターなので」と期待を込めた。「ちょっと長引きそうなので覚悟して。早く戻ってくれればうれしいですけど、彼も責任感持ってやってくれてたと思うので。早く治すことに集中してもらいたい」と阿部監督。主砲の復帰まで一丸でカバーする決意を示した。
対阪神はこれで2勝7敗となった。「やっとやり返せたので。まだ試合はあるし、次の対戦は甲子園。そこで何とか勝ち越せるように、そこを目標にやっていきたい」。ゴールデンウィークの8戦は5勝3敗と勝ち越し。その中では戸郷や坂本も1軍の舞台に戻ってきた。岡本の長期離脱という逆境を、これまで以上の結束で乗り越える。(片岡 優帆)