菅野智之 6回2失点のQSで貢献「一つ勝つのはそれだけ難しい」 チームは延長の末に連敗を8でストップ
2025年5月22日(木)5時44分 スポーツニッポン
◇インターリーグ オリオールズ8—4ブルワーズ(2025年5月21日 ミルウォーキー)
オリオールズの菅野智之投手(35)が21日(日本時間22日)、敵地でのブルワーズ戦に先発。6回5安打2失点、3三振、1四球でクオリティースタート(QS)を成し遂げ、白星こそつかなかったが、チームの連敗ストップに貢献した。
試合後、菅野は「(勝つのは)簡単なことじゃないので、まずは先制点を取られないように…そこだけ注意して投げました。みなさんご存じの通り、そういう(逆転勝ちできる)力があるチームだと思いますし、ただ、発揮できてないというところだけだと思う。毎回、自分自身も(含め)みんなそれぞれチームとか自分に期待して試合に入ってると思うんですけど、一つ勝つっていうのはそれだけ難しいことなんだと改めて今日、実感しました」とホッした胸の内を吐露した。
一球一球、丁寧に投げ込んだ。初回は3者凡退。2回は2者連続三振の後、四球と安打などで2死二、三塁のピンチを背負ったが、続く8番・ダービンを一邪飛に打ち取った。3回も2死二塁とされたが、続く3番・イェリチを投ゴロに抑えた。4回にはこの日初めて先頭打者を右前打で出塁させたが、後続を3人でキッチリ片付けた。
だが1点リードで迎えた5回、先頭のダービンに左中間二塁打されるなどして背負った1死二塁のピンチから、1番・チュラングの投ゴロを処理した菅野が一塁に送球して打者走者をアウトにする間に、二走が一気に生還。一瞬の隙を突かれて、同点に追いつかれた。さらに1—1の6回には1死から4番・ホスキンスに甘く入った初球の86・6マイル(約139・3キロ)のカットボールを左中間スタンドに運ばれた。この回限りで降板し、防御率は3・07となった。
打線は4回、ヘンダーソン、マウントキャッスル、オハーンのクリーンアップによる3連打で1点を先制。だが、その後が続かず。同点の6回も1死から連打で一、二塁としたが、後続を断たれた。菅野が降板した後の8回、6番・ムリンスの中犠飛と8番・カースタッドの左前適時打で逆転したが、9回に抑えのバティスタが追いつかれて延長に突入。そして延長11回、ラッチマンの5号3ランなどで一挙4点を奪い、ついに勝利をもぎった。
菅野の前回登板となった15日(同16日)のツインズ戦では6回1/3でメジャー自己最多の103球を投げ、2本塁打を含む6安打4失点で今季3敗目を喫した。チームも3連敗となり、不振を極めるチーム状況について菅野は「みんな勝ちたいという気持ちを持ってると思うし、こんなチームじゃないと、ボクを含めてみんな思ってると思うので、いつか状況が好転すると考えるのではなく、今日やるんだという気持ちをみんなが持つことが大事だと思います」と話してチームを鼓舞していた。
だが、その2日後の17日(同18日)に球団はブランドン・ハイド監督(51)を電撃解任。トニー・マンソリーノ三塁コーチ(42)が臨時監督に就任したが、新監督になっても流れは止められず、さらに5連敗を重ね、この日までに8連敗となっていた。連敗ストッパーになるべくマウンドに登った菅野は白星こそ手にできなかったが、その粘りの投球が、最後の最後にチームの勝利をたぐり寄せた。マンソリーノ臨時監督にとってはようやく手にした、うれしい初勝利となった。