「あいつはバカなの?」――憤りが続いたモナコGP 無線でガスリーに怒った角田裕毅が漏らしたレッドブルへの“不満”

2025年5月26日(月)17時0分 ココカラネクスト

ガスリーとの接触などでフラストレーションを溜め込んだ角田。(C)Getty Images

 フラストレーションが溜まる週末となった。現地時間5月25日、F1の今季第8戦となるモナコGPの決勝がモンテカルロ市街地コースで行われ、12番手からスタートしたレッドブルの角田裕毅は、完走した18台中で17位と惨敗した。

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 奇をてらった策も挽回には結びつかなかった。

 道幅が極めて狭く、前方を走るライバルを追い抜ける箇所がほとんどない1周3.337kmの公道コースを78周するモナコGP。この日もXで「Boring(退屈)」というワードがトレンド入りする皮肉めいたレース展開となった中で、角田は18人中で唯一のソフトタイヤでスタート。さらにバーチャル・セキュリティーカー(VSC)が導入された中で、いきなりピットインし、ハードタイヤに交換した。

 決勝から2度のピットインと3種類の異なるタイヤコンパウンド使用が特別に義務づけられたF1。その中で早々と奇策を講じた角田だったが、姉妹チームのレーシングブルズとウイリアムズが1台を意図的に遅く走らせる戦略を展開。これによって後続車はブロックで阻まれるという展開が続き、25歳の日本人も順位を上げきれず。明らかな苦戦を余儀なくされた。

 また、この日の角田は、序盤の9周目にアルピーヌのピエール・ガスリーが後ろから接触するアクシデントにも巻き込まれた。

 幸いにもマシンは故障することなく走行を継続。それでもQ2敗退から苛立ちを溜め込んでいた角田は、ほぼ3輪走行の状態で後方から突っ込んできたフランス人に「あいつはバカなの?」と憤怒。レースエンジニアのリチャード・ウッド氏になだめられる場面もあった。

 走り切りはしたものの、クラッシュでのリタイヤを余儀なくされたサウジアラビアGPを除けば、レッドブル昇格後で最悪の結果。英専門メディア『CRASH.net』の取材に応じたクリスチャン・ホーナー代表が「最も速いラップを記録したのは終盤。ユウキはレースを通してずっと列の中で並んでいただけだった」と断じられた角田は、F1公式サイトで複雑な心境を打ち明けている。

「予選であそこまで遅れをとってしまえば(12番手)、モナコでのレースで多くは期待できない。そしてこの状況を作り出したのは僕自身だ。今日はピエール(・ガスリー)に衝突された以外は、本当に何も起こらなかった」

 ガスリーとの接触についても「正直、謎だ。僕はブレーキング時に進路を変えたりもしていない。何が起こったのか分からない。僕からしたら、彼(ガスリー)がクラッシュしてきたというだけだ」と漏らした角田は、モナコでの週末を次のように振り返ってもいる。

「ペースは悪くなかった。正直、今回のモナコは簡単にはいかないとわかっていた。週末を通してごちゃごちゃしていた。Q2のラップではもう少し上手くできていたらよかったと思うけど、トラックコンディションが良くなかったり、新品タイヤを使えなかったりということがあったからね……。とにかく、FP3まではペースがあったのはポジティブなことかな。そのペースを活かせなかったのがフラストレーションだった」

「(改善が)されると期待したい。来週だけではなくて、この先、数週間かけてね。内部で話さなくてはいけないこともある。もちろん、いきなり全てが改善されるということは難しいだろうけど」

 今季第7戦のエミリア・ロマーニャGPの公式予選で大クラッシュをした角田。その影響で彼のマシンは復旧作業の一部には旧式の部品が代用され、フロアの主要部分でスペックの不一致が生じていたとされている。

 今回のモナコGPに向けては、両ドライバーに向けた新たな部品の開発は追いつかず。エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンのアップデートが優先されていた。角田が「簡単にはいかないとわかっていた」とする理由は、おそらくそうしたチーム事情に起因する。

 苦しいマシン事情の中で試行錯誤を重ねた角田。「絶対にQ3進出とポイント獲得は実現したい」と意気込むバルセロナでの次戦では快走に期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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