広島・小園 V撃で2位浮上 15打席ぶりの快音に新井監督も期待「どんどん調子を戻してもらいたい」
2025年5月28日(水)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島2—1巨人(2025年5月27日 富山)
広島・小園海斗内野手(24)が27日、絶不調にあえぐ中で光をともした。北陸・富山での巨人戦で、4回に均衡を破る2点先制打。15打席ぶりに安打を放ち、勝利につながる8試合ぶりの打点を挙げた。投げては、北陸・福井出身の玉村昇悟投手(24)が5回0/3を投げて1失点の好投で2勝目。巨人と入れ替わり、2位浮上に成功した。
73年6月5日、県営球場を舞台に5—4で勝利して以来となる富山での巨人戦。アルペンスタジアムで実現した、実に52年ぶりの対戦でG倒を果たした。攻撃での立役者は「富山には初めて来ました。寒いです」と苦笑した小園だ。
「たまたま抜けてくれたので、良かったです。状態どうこうは何も言えないので、食らいつく感じでした」
0—0の4回、モンテロが四球を選んだ2死満塁で、流れを引き寄せる先制の2点タイムリー。試合前の時点で通算対戦打率・400(15打数6安打)と好相性を誇っていた巨人・井上の初球、129キロの外寄りスライダーを捉えた打球は、ゴロでしぶとく一、二塁間を破り、右前へ転がった。
4月上旬には4割台の打率すらマークしながら、5月に入って絶不調にあえぐ。特に16日阪神戦から25日DeNA戦までの直近7試合は22打数1安打。打率は2割5分台にまで急降下し、DeNA戦が雨天中止となった24日、屋内練習場では新井監督が直々に指導する姿があった。
「(助言を実践)できているかは分からないです。他(の打席)が全然ダメなので、いいとは言えない。もっと頑張らないといけないなと感じています」
2、7、9回に凡退した3打席が納得できないからか、小園の表情はさえない。それでも、ともかく4回の先制打が15打席ぶりの安打で、適時打は5月13日の巨人戦以来10試合ぶり、打点も15日の同カードで満塁弾を放って以来8試合ぶりとなった。
新井監督は、決勝打の小園に「いい場面でタイムリー。本人もうれしそうだったので良かったと思う。もともと初球から積極的に仕掛けていくタイプ。これをきっかけにというか、どんどん調子を戻してもらいたい」と早期の復調に期待した。
「きっかけになればいいけど、何とも言えない。頑張ります」
威勢のいい言葉ではないものの、24歳は早く調子を取り戻そうと必死にもがく。V打を契機に巻き返しへ。好感触をえるのに、きっと時間はかからない。(江尾 卓也)