痛恨の逆転サヨナラ被弾の阪神・湯浅京己 球界OBは投げ込み不足を指摘

2023年6月9日(金)16時30分 ココカラネクスト

制球に苦労する湯浅。佐藤氏は「自信が無いように見えた」という(C)Getty Images

 衝撃のクライマックスが訪れた。

 6月8日の楽天対阪神のゲームは、セ・リーグ首位の阪神が4-3とリードして迎えた9回裏、湯浅京己が逆転サヨナラ3ランを打たれ、4-6で阪神が敗戦。阪神は1勝2敗とカード負け越しとなった。

【動画】湯浅が1点リードの9回二死一、二塁から小深田に痛恨の逆転3ランを被弾、呆然とするシーン

 8回表に安打や四球、犠牲フライなどでこの試合初めてリードを奪った阪神だったが、勝利を託した守護神が崩れた。9回に3番手としてマウンドに登った湯浅は先頭の鈴木大地を1球で外野フライに仕留めるも、山崎剛、島内宏明に連続四球。いずれに対してもボールが高めに浮き、コントロールが定まらない投球が続いた。続く、辰巳涼介はフォークで空振り三振に斬ってとり、残りがアウト1つとなったが、この回5人目の打者である小深田大翔に初球のストレートをライトスタンドに運ばれた。

 制球に苦しみ、このマウンドで何度もみられた高めのボール球だったが、狙いすましたかのようにとらえられている。湯浅はこれが初黒星となり、今季、阪神が得意としてきた終盤の粘りをみせたものの、勝利は結び付かなかった。

 絶対的なクローザーが打たれての敗戦というショッキングな結末。だが、球界OBによる冷静な指摘も聞こえている。

「ストライクを投げるのも四苦八苦していた」

 そう語るのは現役時、阪急、オリックスで主力投手として活躍、引退後は阪神、楽天、日本ハムなどで投手コーチを歴任した佐藤義則氏だ。この試合後に更新されたYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で、試合を振り返っており、湯浅の状態についてもコメントしている。

 佐藤氏は最終回の投球には「良いボールと悪いボールがはっきりしていた」として、イニングを通じて制球に苦しんでいたと述べており、さらに小深田への1球にも「あそこをホームランにされるということはボールに勢いがないということ」と分析。また、この日のマウンド上での表情に触れ「自信が無いように見えた」と印象を語っており、他にも投球時の上体の高さについても「下半身は低く、手は高くというイメージを意識しないと、ボールが指にかからない」と説いている。

 加えて「ちょっと余談だけど」として、湯浅を含めたリリーフ陣全体にも言葉を投げかけている。佐藤氏は「出番が無い(調子が悪い)ときはブルペンでボールを投げるということをしないといかん」と話し、続けて、「(ブルペン待機時に)最初に15球程度を投げ、その後出番に備えて再度、肩を作るという通常の投げ込みパターンだけを行っているようでは、調子は上がってこない」と指摘。「調子が悪いのであれば、ブルペンコーチもいつも以上に投げさせるべき。湯浅もそれが必要に思う」として、不調時の投球数への持論を展開している。

 その他にも「二軍に行かない限りは(公式戦の)どこかでそういうこともやっていかなければ」とも語っていた佐藤氏。開幕から2か月が過ぎ、夏場を前にしたこの時期、首位チームを支える救援陣にも何かしらの配慮が必要なのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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