約20年ぶり復帰参戦で元世界王者ロブ・ハフが2回目の表彰台「夏休み明けで狙っていた」/BTCC
2024年8月2日(金)18時30分 AUTOSPORT web
早めの夏休みを終え、7月26〜28日に争われたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第6戦では、今季より約20年ぶりに地元最高峰シリーズ復帰参戦を果たした元世界王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)が「夏休み明けで狙っていた」という得意のクロフトでシーズン2回目の表彰台に立った。
ノース・ヨークシャーに位置するこのトラックは、世界に飛び立つ前からハフ自身が好成績を残してきたサーキットで、昨秋にスピードワークス・モータースポーツ(SWM)が準備したトヨタ・カローラGRスポーツで初テストを実施した場所でもある。この機会こそ、近年は散発的な活動に留まってきた2012年のWTCC世界ツーリングカー選手権チャンピオンが、実に20年ぶりのBTCCカムバックを果たすキッカケとなった。
すでに第3戦スネッタートンの最終ヒートで復帰後初優勝を飾っているハフは、この夏休み明けのレースウイークでも走り出しのフリープラクティス(FP)を通じてペースを保ち、そのまま予選Q1とQ2を突破し、自身初の“クイックシックス”進出を決めて最終的に5番グリッドを手にした。
「クロフトは僕にとっていつだって素晴らしいサーキットであり、僕らは走り出しからすぐに速かった。チームはトヨタの開発とアップグレードの実現に向け素晴らしい仕事をしてくれた。大きな前進を遂げ、その結果、より機敏で運転しやすいクルマが誕生した。まさにそれが僕らの目指していたことだ」と、週末を振り返ったハフ。
「僕自身は初めて“クイックシックス”に進出し、表彰台に戻ることを目標にしていたが、その両方を達成できた。これまでカローラにとってはあまり得意とは言えなかったこのコースで、ジョシュ(・クック)と僕はトップを走り、週末中ずっとランキング上位の選手たちと競い合っていたんだからね!」
その決勝日は、すべての競技者がグッドイヤーのソフトとハードの両コンパウンドを使う必要があったが、ハフはオープニングヒートに向けハード側を早めに装着して痛みに耐える戦略を採用。ここでダメージを最小限に抑える素晴らしい仕事をし、同じコンパウンドを履くライバルに10秒以上のマージンを築き7位でチェッカーフラッグを受けた。
■「もちろん勝ちたかった」と元世界王者
するとこの忍耐が功を奏し、ソフトを履いたハフはレース2のスタートからダン・カミッシュやアシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)、コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)らを次々に仕留めると、一気に2番手まで駆け上がる。
ここから首位を行く2022年王者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)に詰め寄ると、5周目のタワー・ベンドですぐさまオーバーテイクを決め、ファクトリーカラーのカローラが13周目までトップを快走する。
しかし背後からはSMWのチームメイトでもあるジョシュ・クック(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・シネティックSYNETIQ/トヨタ・カローラGRスポーツ)がジリジリと迫り、クロフト名物ジム・クラーク・エッセでは、イエロー&グレーのカローラGRスポーツとサイド・バイ・サイドの勝負に。ファンを沸かせたデュエルで後輩に先を譲ったハフだったが、秒差圏内でトヨタがワン・ツー・フィニッシュを飾ることとなった。
「そう、レース2ではまさに狙っていたことをやり遂げた。それが日曜日の戦略の要点であり、それがうまくいったということ。チーム全員にワン・ツー・フィニッシュで報いることができて最高だったよ」と、まずは陣営に最高得点を持ち帰った点を喜ぶハフ。
「もちろん自分が勝ちたかったけれど、ジョシュは僕よりも少しペースが良く、素晴らしい動きを見せてくれた。チームメイト以外の誰かだったら、彼らの行く手を阻んで少し苦しめていただろうね!」と本音も覗かせる。
「こうした改善を続けるにはさらなる努力も必要だが、最終的な結果にはとても満足している。今回の結果は、夏休み中にSWMの全スタッフが注いだ努力の大きな証だからね。彼らは今、マシンを最高の状態に仕上げており、僕らは目指す場所に向かっているよ」
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