怒りによって血液はドロドロに…自律神経の名医が教える「怒りを吐き出す」よりも医学的に正しい対処法とは

2025年5月25日(日)13時0分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

「自律神経を整えたらココロもカラダも調子がよくなって、表情も明るくなって、パフォーマンスもアップする」と話すのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授。そこで今回は小林教授の著書『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』から一部を抜粋し、<不調をなくす自律神経の整え方のコツ>をお届けします。

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作り笑顔でもいいからなるべく笑顔を作る


● 幸せホルモン「セロトニン」の分泌を増やす。

● ストレスを和らげる。

● 血糖値や血圧を下げたり、弱った免疫力を正常化させる効果も。

● 円満な人間関係を築く。

作り笑いでも笑顔は自律神経と免疫力の強い味方

辛いことや悲しい出来事に見舞われると、人は笑顔を失ってしまいます。そのまま塞ぎ込んでいると、心も体も蝕まれる一方です。そんなときこそ「笑顔」を作りましょう。笑顔が自律神経の乱れを整え、元気をとり戻すきっかけを与えてくれます。とはいえ心から笑顔になる必要はありません。作り笑いでも十分です。

口角が上がると顔の筋肉の緊張がほぐれ、血液や神経の流れが改善されます。笑顔には自然と心身をリラックスさせる効果があるのです。また、最近の研究では免疫力アップにつながることも明らかになってきました。ぜひ笑顔を意識しましょう。

「怒ることは自律神経に悪い」と心得る


● 怒りは百害あって一利なし。

● 怒っている人の内部では、自律神経の乱れで血管がどんどん損傷を受け、老化のスピードが猛烈に加速している。

● 周囲に怒らず、自分でなんとかしようとするとストレスは消える。

怒れば怒るほど血液はドロドロになる

笑顔が副交感神経を上げ、自律神経のバランスを整える体にいい習慣だとすると、反対に交感神経を過剰に高め、自律神経のバランスを崩してしまう最悪の習慣が「怒り」です。

自分が怒っているとき、体の中でどのようなことが起きているかご存じでしょうか?

怒りによって血管が収縮するので、血液がドロドロに汚れていくのです。血液が汚れると末梢血管の血流が悪くなります。

これだけでも十分体に悪いのですが、ほかにもダメージがあります。それはホルモン調整機能が低下してしまうこと。過度に進むと脳にも障害を起こしかねません。

「見ざる・言わざる・聞かざる」でやりきる


● 3つを実践すると心の乱れを防ぐことができる。

● 余計なものは見ないと決めると他人の言動が気にならなくなる。


(写真提供:Photo AC)

● 人の批判やネガティブな話には耳を貸さない。

● 怒りをグッとこらえて、言わないでいると冷静さをとり戻せる。

“三ざる”のうちもっとも重要なのが「言わざる」です

「怒りはため込まず、吐き出したほうがいい」というのは、医学的には違います。交感神経は、怒りを吐き出した直後から3〜4時間ほど緊張し続け、その間、血流は滞り、全身の細胞が酸素不足に陥ります。怒りを吐き出してスッキリしても、時間が経てば後味が悪くなって落ち込みます。

「沈黙は金」という通り、込み上げてきた怒りはグッとこらえるのが正解です。誰が見ても相手に問題がある場合は、いったん冷静になってから穏やかに間違いを指摘しましょう。また、怒りや不満で感情が爆発しそうになったら、自分の心に向き合って、行動を顧みることが大切です。

※本稿は、『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

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