小林弘幸「食べたいけど我慢」「嫌いなものでも食べなくちゃ…」ストイックな食べ方は体調不良のもとに。自律神経を整える<食事>のとり方とは
2025年5月23日(金)12時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「自律神経を整えたらココロもカラダも調子がよくなって、表情も明るくなって、パフォーマンスもアップする」と話すのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授。そこで今回は小林教授の著書『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』から一部を抜粋し、<不調をなくす自律神経の整え方のコツ>をお届けします。
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食事にしっかり集中する
● 食べることに集中するだけで、自律神経を整える効果がある。
● 今ここにある現実だけに目を向けること=マインドフルネスとなり、過去の後悔や未来の不安も手放す。
● 不思議なくらい体が軽くなり、心が穏やかになり、頭も冴える。
仕事のことはひとまず置いて食べることに集中しよう
昼食をとりながら、つい「あ、今朝はあれを忘れた」とか「午後はまだまだ仕事が山積みだな」などといった雑念が浮かんでくることはありませんか?
何か別のことを考えながら食べていると、胃液の分泌も腸のぜん動運動も弱くなり、うまく消化できなくなります。せっかくとった食事も心身のエネルギーに変わってはくれません。
また、食べることに集中すると自律神経が安定します。食べ物の見た目、匂い、味、食感の1つひとつを集中して味わうことです。そうするといつのまにか雑念がすっかり消え去り、心の中は食事の楽しさで豊かに満たされていきます。
カラダにいいよりおいしいで選ぶ
● ストイックな食べ方はきれいな腸を作らない。
● 腸は「第二の脳」。食べたいものを我慢すると腸内環境が悪化する。
● 暴飲暴食は厳禁。でも、体が自然と欲するものや、おいしいと感じられるものを選んで食べることで、血流がよくなり代謝もアップ。体重増加も防げる。
ストイックな食べ方や生き方は自律神経を乱します
「食べたいけど、我慢しなきゃ」「体にいいと言われているから、嫌いなものでも食べなくちゃ」という考えは体調不良やストレスのもとになります。食事のとり方で一番大切なのは、好きなものをおいしく楽しんで食べることだからです。
たとえ「健康によい」とされる食事でも、食べる本人がおいしいと感じなければ食べることはストレスになり、腸内環境が悪化し、自律神経のバランスに支障をきたします。
腸内環境が悪化すると、緊張でお腹が痛くなったり、仕事や人間関係のストレスで便秘になったり下痢になったり、気持ちの変化に敏感に反応してしまいます。
メニューに迷ったら和食を選ぶ
● 和食は食物繊維を多く含むため、便秘解消はもちろん、新陳代謝が高まって、ダイエットや美肌、美髪にも効果的。
● 内側からのケアとして腸内環境を整えるには和食が最適。
● 善玉菌が喜ぶ食材は和食に使われる食物繊維や発酵食品に多く含まれる。
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
和食は発酵食品と食物繊維をバランスよくとれる
外食メニューに困ったら、とりあえず「和食」を選びましょう。定食にすれば1回の食事で発酵食品や食物繊維が多めにとれます。これらは腸に内側からダイレクトに働きかけられるので、腸内環境の調整に役立ってくれます。
結果として腸内の善玉菌が優勢になっていくと、腸内環境がよくなり、消化や吸収がスムーズに。便秘解消はもちろん、免疫力もアップするため、和食は健康やエイジングケアにも有効なスーパーフードなのです。ただし、食事からとる善玉菌は生命力が弱く、便で排出されてしまうため、毎日継続して食べることが大切です。
※本稿は、『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
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