佐々木朗希とドジャースの“密約疑惑”に飛んだ反発 LA地元記者が真っ向批判「噂を裏付ける証拠は見つからなかった」
2025年1月19日(日)11時13分 ココカラネクスト

ドジャースとの契約を締結した佐々木。そのビッグディールにあらぬ疑惑が飛んでいる。(C)産経新聞社
今オフにロッテからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた佐々木朗希が、現地時間1月17日にドジャース移籍で合意したと、自身のインスタグラムで発表した。
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異例の注目を集めた争奪戦は、ポスティングの正式公示前からの予想通りにドジャースが制した。
契約金や年俸などの総額が制限され、マイナー契約しか結べない「25歳ルール」の対象となる佐々木獲得を巡っては、球団経営の負担になるほどの高額契約を必要としない背景から争奪戦が白熱。代理人を務めたジョエル・ウルフ氏が30球団未満20球団以上を明言したように、「令和の怪物」は引く手あまたの存在となった。
熟考を重ねた中で、インスタグラムに「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります」とつづった佐々木はドジャースと契約した。25歳以下の海外アマチュア選手獲得の際に使用する国際ボーナスプールから支払われた契約金は650万ドル(約10億2700万円)。これは最終候補となったパドレスとブルージェイズの保有するボーナスプール額よりも少額であったとされている。
この結末を受け、佐々木とドジャースにはあらぬ疑惑が集まった。それは、事前交渉、いわゆる「タンパリング」を疑うものだ。かつてフィリーズなどでGMを務め、球界の補強事情を知るジム・ボウデン氏は、米YouTubeチャンネル『Foul Territory』内で「この契約について、コミッショナーオフィスに調査を依頼する複数の球団が出てくると予想している」と指摘。「ドジャースとササキの間に事前に取り決めがあったと信じるフロントオフィスや幹部たちがいくつかいた」とも報告している。
昨年11月の時点で浮上していたこの疑惑に関して、「不正」を裏付けるものは何も出ていない。ゆえにロサンゼルスの地元メディアからは反発の声が上がっている。
地元紙『Los Angeles Times』のジャック・ハリス記者は「MLBはササキのポスティングを正式に認可する前に『プロトコルが遵守されているか確認する』と調査を実施していた」と指摘。さらに匿名の事情通の情報として、「MLBはササキを巡る調査で多数の関係者に聞き取り調査を行ったが、噂を裏付ける証拠は見つからなかった」と断言している。
さらに「ドジャースは土壇場で2つのトレードを成立させ、ボーナスプール資金を増やしたことで、ササキにとって望ましいあらゆる条件を満たした」としたハリス記者は、世間の関心を集める疑惑に対して、リポートを次のように結んでいる。
「ドジャースと契約した日本人選手の相性はあまりにも明白で、あまりにも強固だった。そして、MLB関係者たちが状況を調査した結果、ササキがロサンゼルスにいるのは、彼自身が最終的に『行きたかった場所だから』という理由だから、である」
[文/構成:ココカラネクスト編集部]