今季も投高打低への影響顕著なNPB球 今春来日のド軍戦士が漏らした“異質な打感”「捉えても平凡なフライになる」
2025年4月11日(金)11時0分 ココカラネクスト

日本勢のボールに苦しんだことを明かしたマンシー。(C)Getty Images
今春に東京ドームで実施されたドジャースとカブスによるMLBの開幕シリーズ。前者の連勝で幕を閉じたマッチアップは、大谷翔平、鈴木誠也、山本由伸、今永昇太、そして佐々木朗希の“凱旋”も手伝って、異様な盛り上がりを見せた。
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阪神、巨人とのエキシビションマッチも行われ、豊富な娯楽が混在した中で小さくないトピックとなったのは「ボールが飛ばない」の存在だった。
国際舞台だからこそ際立った。日米交流が図られたエキシビションマッチでは、MLBとNPBでは公式球が異なるため、ドジャースとカブスの守備ではMLBの公式球、巨人と阪神の守備ではNPBの公式球がそれぞれ使われた。
その中で「投高打低」が叫ばれて久しいNPBの公式球に、さしものメジャーリーガーたちも苦戦。芯で捉えたような鋭い当たりがフェンス際で失速するような場面が散見した。
実際のところ、日本の打者たちも数字が決して高くはない。今季ここまでのNPBで、セパ両リーグ合わせた本塁打数は71発。とりわけセ・リーグは30発と開幕間もないスモールサンプルとはいえ、やはり低反発球の影響は感じざるを得ない。
実際にNPB球を打ってみたメジャーリーガーからも率直な感想が漏れている。MLB通算195本塁打を誇り、ドジャースでも指折りのパンチ力を兼ねるマックス・マンシーは、米YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「ボールが違う動きをしていた」と回想。その上で、こう分析している。
「球場の海抜が低いのと、空気が圧縮されている場所だということがあって、かなり(打球が)高く上がる。ただ、ボールがきちんとしていないから、多くの選手が捉えても平凡なフライになってしまっていた印象だ」
3年前に日本行きも模索していたマンシー。だが、エキシビションマッチ2戦での打撃成績は打率.143と低調なパフォーマンスに終始していた。
もともと空気抵抗が少なく、反発係数が低いNPB球は、以前から「打球は確実に飛ばない」(『Foul Territory』での元DeNAの助っ人マイク・フォード談)とされてきた。だが、今春にメジャーリーガーたちが見せた打感を見るに、打者、とりわけMLBなどから活躍の場を求めてやってくる助っ人スラッガーたちの苦闘は否めない。やはり何らかの改善が検討されても良いように思えるが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]