函館から世界へアタック…中大出身の道産子、柿崎晃がSVリーグ男子・日本製鉄堺ブレイザーズに入団
2025年4月19日(土)6時30分 スポーツ報知
将来のエースとしてファンからも期待がかかる柿崎晃(右)(左は同期入団の山根大幸)(写真は日本製鉄堺ブレイザーズ提供)
中大バレーボール部主将を務めた函館市出身の柿崎晃(22)=道科学大高出=が、今春SVリーグ男子の日本製鉄堺ブレイザーズに入団した。大学時代は1部リーグ優勝など輝かしい実績を残した。大学の先輩で尊敬する日本代表の石川祐希(29)=イタリア1部ペルージャ=を追い、伝統あるチームで日の丸を目指す。
柿崎が夢への階段を上る。3月に中大を卒業し、SVリーグの日本製鉄堺に入団した。「大学の時からVリーグ(SVの前身)に挑戦したかった。自分が一番成長できる場所がブレイザーズだと思っている」。1939年創部の日本製鉄八幡製鉄所バレーボール部をルーツに持つ伝統あるチームの門をたたいた。
一歩ずつ進んできた。道科学大高から中大に進学。鋭いスパイクやブロックを利用した攻撃、サーブレシーブを受けるのも得意とするアウトサイドヒッターとしてチームを引っ張った。「高校卒業時、中大に入れたのは奇跡と思っていたのに、大役まで任されるなんて思わなかった」。4年時に主将を務め、24年春季1部リーグを制し、東日本インカレでは7年ぶりに優勝。大会最優秀選手賞も獲得した。
2年時には世界最高峰リーグと称されるイタリア1部・セリエAのモデナに練習参加した。現地で既にイタリアを主戦場にしていた石川祐希とも会った。中学時代から憧れを抱いてきた中大の大先輩を「全てのプレーを器用にできる。日本代表でも主将を務め、人間性が素晴らしい」と評価。同じアウトサイドヒッターの手本にしてきた。
次なる目標に日本代表入りを定める。「ブレイザーズに入っただけで満足はしていない。試合に出て活躍できるようになれば、その先に夢があると思う」。身長186センチのオールラウンダー型だが、「これからは攻撃面に傾けていきたい」と公式戦出場に向け、腕を磨いている。
中学卒業と同時に地元の函館を離れた。高校は札幌、大学は東京で過ごし、今春に大阪での生活をスタートさせた。柿崎は「広い世界に出ることで成長できると思っている」と“有言実行”を体言してきた。次なるストーリーへ突き進む。
(飯塚 康博)
◆柿崎 晃(かきざき・あきら)2002年4月16日、函館市生まれ。小学2年から銭亀沢クラブで競技を始める。木古内中3年で全国中学大会出場。道科学大高では1年時からレギュラーで、2年時の全国高校総体で16強。春高バレーは2度出場した。中大に進学し、4年時に主将を務め、関東大学春季1部リーグと東日本インカレでの優勝に貢献した。186センチ、75キロ。最高到達点330センチ。家族は両親と兄、妹。