同じくマルチクラッシュに遭った16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTも、モノコック本体とエンジン本体は無事とのことだが、「右側のクラッシャブルストラクシャーが破損していたので交換しました。外板のエアロと右の足回り、サスペンションも交換しています」と、杉崎公俊エンジニア。車体右側がぶつかってしまったため、損傷部も右側が中心になった。
3台目の12号車TRS IMPUL with SDG Zもモノコック、エンジンは無事だったが、サスペンション、そしてエキゾーストは交換となってしまった。
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)/2025スーパーGT第2戦富士
︎ライバル陣営が衝撃を受けたタイヤメーカー。今回の優勝候補は?
今回の富士を占う上で、もうひとつ前回の岡山のパドック内での話題を紹介したい。それは、ヨコハマタイヤ勢の躍進だ。予選Q2に2台とも進出し、レースでもドライコンディションとなったレース終盤は着実に順位を上げるパフォーマンスを見せた。レース後、ライバルでもあるダンロップタイヤを装着する64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの伊沢拓也が「今回、ヨコハマ勢のパフォーマンスは衝撃的でした」と、素直にライバルの速さを讃えた姿が印象的だった。
今回の富士はヨコハマ勢にとって岡山よりも得意なコースになるだけに、19号車WedsSport ADVAN GR Supra、24号車リアライズコーポレーションADVAN Zの2台は予選、そして決勝ともに目が離せない存在になるかもしれない。
また、今回の富士はストレートの速さに強みがあるホンダ・シビック勢、ニッサンZ勢が有力とみられているが、事前の公式テストでは1号車au TOM’S GR Supraもドライセッションでトップタイムをマークしており、前回優勝で今回はサクセスウエイト40kgともっとも重い状態となるなか、どのようなパフォーマンスを見せるのかが注目される。
以上のようにサーキット特性、そしてサクセスウエイトなどを考慮して、今回の優勝候補は16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT、23号車MOTUL AUTECH Z、3号車Niterra MOTUL Z、そして19号車WedsSport ADVAN GR Supra、24号車リアライズコーポレーションADVAN Zなどが挙げられるが、3時間の長丁場レースだけに、大荒れの可能性もありそうだ。