今永昇太の「歴史的スタート」にMLB通算200勝投手も絶賛 成功を掴めたカギは直球にあり「100マイルを超える球は必要ない」
2024年5月3日(金)16時30分 ココカラネクスト

開幕から好調を続ける今永。そのパフォーマンスに賛辞が相次いでいる。(C)Getty Images
30歳の“オールドルーキー”が、野球の本場でブレイクを果たしている。今シーズンからメジャーリーグの名門カブスに加わった今永昇太だ。
今年1月に複数球団による争奪戦の末に、最大で5年総額8000万ドル(約117億円)となる大型契約を締結。今永に対する期待は、たしかに高まっていた。
【動画】開幕から無傷の5連勝!守備でも躍動する今永昇太
そうした周囲からのプレッシャーをはねのけるように今永は躍動を続けている。開幕してから6登板で5勝をマークしている左腕は、両リーグトップの防御率0.78、WHIP0.75(同3位)、被打率.172(同10)と軒並みハイアベレージを記録。ちなみにメジャーデビューからの6登板で防御率0.80以下を記録したのは、過去70年間で1981年のフェルナンド・バレンズエラ(ドジャース)以来の快挙でもある。
まさしく歴史的活躍と言っていい。地元スポーツ専門局『NBC Chicago』からも「言うまでもなく、イマナガのようなデビューは珍しい。彼の歴史的なスタートがいかに優れているかを説明する言葉は付きつつある」と絶賛される今永の投球内容には、メジャーの酸いも甘いも知る名投手も太鼓判を押している。
カージナルスで2度の最多勝賞に輝くなど、メジャー通算200勝を挙げた名投手アダム・ウェインライト氏は、MLBの公式ネットワーク局『MLB Network』の番組「MLB Tonight」において「イマナガは信じられない活躍をしている」と強調。今永がロケットスタートを切れた要因を分析している。
「イマナガは4シームをゾーンの高めに本当に上手く投げ込んでいる。これは全ての投手ができる技じゃない。彼は自分が何者かを知っている。メジャーリーグで成功するために必要なのは自分の持ち味が何かを把握していることだ」
今永の直球の使い方を評価する百戦錬磨のレジェンドは、「ここが重要なカギだ」と切り出し、こうも説いている。
「いいかい、私はこれを見ている子どもたちに言いたいんだ。メジャーリーグに行くために、必ずしも100マイル(約160.9キロ)を超えるボールを投げる必要はない。重要なのはいかにコントロールするかだ。彼(今永)のように、ピッチャー有利のカウントを作り、ボールを上下に動かせればいいんだ。彼は自在にスイーパーも、スプリットも投げられるが、それは4シームを良いところに積極的に使っているからだと思っている」
卓越した技術で米球界を席巻している今永。その快投に対する評価は高まる一方だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]