「ピッチクロック」導入で試合時間10分以上短縮の韓国 1試合平均3時間を切る
2025年5月20日(火)11時0分 スポーツニッポン
【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】韓国KBOリーグで試合時間の短縮を目的に今季から本格導入された「ピッチクロック」が成果をあげている。
全720試合中、230試合を終えた現時点での平均試合時間は2時間58分。昨季終了時点での3時間10分より10分以上短くなった。ちなみにNPBは3時間1分(昨季終了時は3時間2分)。KBO、NPB共に過去10シーズンで平均試合時間が3時間を切った年は一度もない(いずれも9回試合のみ)。
「ピッチクロック」とは投球間の時間制限。KBOリーグでは投手がボールを受け取ってから無走者時20秒、走者がいる場合25秒以内に投球動作に入らないと球審がボールを宣告する。KBOリーグではリーグ内の投手の傾向を基に、MLBの「15秒、18秒」よりも長めに設定している。
制限時間を超過した「ピッチクロック違反」は1試合平均0・4回で、2試合で1度あるかないかの回数だ。球場内には球審と捕手の視界に入るセンター後方と、投手が見えるバックネット側にデジタルタイマーが設置されている。
現場で特に「時短」を実感するのは延長戦だ。今季の延長戦はここまで14試合あるが(うち筆者取材試合は2試合)、延長戦を含めた平均試合時間は3時間1分に留まっている(NPBは3時間9分)。
その理由として今季からKBOリーグでは延長戦を最長12回から11回に縮小したことがある。延長戦縮小は試合時間短縮はもちろん、投手の体力消耗軽減も目的だ。
KBOリーグではリリーフ陣のレベルが先発投手よりもかなり落ちる傾向にある。登板する投手が増えると乱打戦や四球の増加に繋がるが、延長戦が縮小されたことでその心配も少なくなり試合時間が長引くことも減った。
ピッチクロックは来年3月に開催予定の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)でもMLBのルールで導入されることが決まっている。