大の里、横綱昇進確実!!史上最速13場所 師匠・稀勢の里以来8年ぶり日本出身横綱誕生へ

2025年5月24日(土)4時30分 スポーツニッポン

 ◇大相撲夏場所13日目(2025年5月23日 東京・両国国技館)

 単独首位で迎えた大の里(24=二所ノ関部屋)が琴桜(27=佐渡ケ嶽部屋)との大関対決を制し、13戦全勝で2場所連続4度目の優勝を決めた。13日目のV決定は15年初場所の白鵬(現・宮城野親方)以来で、綱獲り力士としては初。横綱審議委員会の推薦の内規を満たし、場所後の横綱昇進を確実にした。日本出身の横綱誕生は師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)以来8年ぶりで、初土俵から所要13場所は年6場所制となった1958年以降で最速という記録的なスピード昇進となる。

 追いかけてきた夢が現実のものになろうとしている。割れんばかりの歓声がやまない中、今場所13回目の勝ち名乗りを受けた大の里はしばらく大きな目を開いて余韻に浸っていた。兄弟子の十両・白熊が待ち構えた東の花道で安堵(あんど)の表情を浮かべると「こんなに早く優勝できるとは予想していなかった。今までの優勝とは違う」と満足そうに振り返った。

 王手をかけて臨んだ琴桜戦。立ち合いで激しく当たり、相手の右喉輪をはね上げると右差し、左おっつけの得意の形に持ち込む。相手のいなしにも動じず前に出て難なく寄り切った。「全体的に落ち着いていた。(優勝は)頭の中に入っていたが、考えすぎるのも良くない。13日目に決まってうれしい」。史上初の13日目優勝での綱獲りには八角理事長(元横綱・北勝海)も「13日目優勝は凄い。立派ですよ」と称賛した。

 挫折とアクシデントの連続だった。新大関場所の昨年九州場所千秋楽の結び、琴桜と豊昇龍の相星決戦を土俵下で見届けた。「(大関で)自分だけ蚊帳の外。悔しかった」。翌初場所は優勝に届かず、場所後に新横綱・豊昇龍の土俵入りを見て目が覚めた。「このままでいいのか」。稽古量を増やし春場所で3度目の賜杯を手にした。初めて迎える綱獲り場所。夏場所初日まで2週間を切った5月上旬に体調不良で稽古を5日間できなかった。遅れを取り戻すことは容易ではなかったが、休日返上で出稽古に行くなどもがき続けてリカバリーに成功し、課題だった序盤戦での全勝につなげた。そしてこの日で幕内通算100勝となり、9場所13日での到達は大鵬(10場所1日)を抜いて最速となった。

 横綱審議委員会が1950年に発足以降で2場所連続優勝で昇進を見送られた大関はいない。「場所後にいい報告が聞ければ」と淡々と話すものの、日本出身では貴乃花以来となる15戦全勝での昇進の期待がかかる。「(全勝優勝は)やってみたいですね。まだ場所は終わっていない。残り2日を大事にして最後まで頑張りたい」。記録ずくめの場所を締めるためにも真価が問われる2日間になりそうだ。(黒田 健司郎)

 ◇大の里 泰輝(おおのさと・だいき=本名中村泰輝)2000年(平12)6月7日生まれ、石川県津幡町出身の24歳。7歳から相撲を始め新潟に相撲留学。能生中→海洋高。日体大では1年時に学生横綱、3、4年時にアマ横綱に輝くなど13冠。元横綱・稀勢の里が師匠を務める二所ノ関部屋に入門し、23年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。2場所で十両に昇進し24年初場所で新入幕。同年夏場所で幕内優勝。2度目の優勝を果たした同年秋場所後に大関に昇進した。今年春場所、夏場所で連続優勝。1メートル92、191キロ。得意は突き、押し、右四つ、寄り。家族は両親と妹。

 【大の里Vアラカルト】

 ☆13日目決定 2015年初場所の白鵬以来10年ぶり。大関では12年初場所の把瑠都以来で、日本出身では1996年秋場所の貴乃花以来。

 ☆2場所連続 21年九州場所の照ノ富士以来21場所ぶり。日本出身では師匠の稀勢の里(17年初、春場所)以来。

 ☆現役最多 3度で並んでいた御嶽海を上回り4度目は現役最多。

 【大の里昇進メモ】

 ☆負け越しなし 初土俵から負け越しなしでの昇進は58年以降初めて。

 ☆石川県出身 江戸時代後期の阿武松、73年夏場所後の輪島に次いで3人目。最多は北海道の8人。

 ☆学生出身 日大出の輪島に次いで2人目。

 ☆二所ノ関部屋 元横綱・稀勢の里が師匠となってからは初めて。二所ノ関部屋の横綱は玉錦、大鵬に次いで3人目。二所ノ関一門からは17年初場所後の稀勢の里以来。

 ☆20代前半 20代前半の日本出身横綱は22歳で昇進した94年九州場所後の貴乃花以来。

 ☆平成生まれ 照ノ富士、豊昇龍に次いで3人目。2000年代生まれは初めて。

スポーツニッポン

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