巨人・戸郷 今季7試合目でようやく初勝利!「これから逆襲が始まります」

2025年5月26日(月)5時30分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 巨人5—2ヤクルト(2025年5月25日 東京D)

 ようやく勝った。開幕投手も務めた巨人の戸郷翔征投手(25)は25日、ヤクルト戦で7度目の先発マウンドに立ち、今季初勝利をつかんだ。中4日での登板ながら6回7安打2失点(自責点1)と試合をつくり、今季最多108球の熱投で白星をたぐり寄せた。チームを今季初の5連勝に導き、貯金は最多タイの5とし、首位の阪神に0・5ゲーム差の2位に浮上させた。

 大事そうにウイニングボールを左ポケットにしまった。通算5度目の中4日のマウンドで今季最長タイの6回を投げてようやく勝った戸郷。今季初めて満面に笑みが広がり、大歓声の中でヒーローインタビューへ駆けた。

 「長かったですね。何とか勝ちを付けたいと思いながら。一人だけ開幕していなかったので勝てて良かった」

 2年連続の開幕投手を務めたが5回4失点。その後も本来の姿ではなく、4月11日広島戦で3回1/3を10失点KOされると2軍降格も味わった。眠れない日々が続き、心は折れそうだったが先輩エースたちが救ってくれた。

 「エースとして振る舞うように」。2軍降格の際に最多勝2度の内海投手コーチからそう律されると、練習へ向かう車内では常にポジティブなことを考えるようにと決めた。球場へ着けば「1軍で投げてる時が一番楽しい。それを伝えることも役割」と2軍や3軍の若手に積極的に助言を送った。昨年まで大黒柱だったオリオールズ・菅野からは電話をもらい1時間近くも話した。「何も変えるな。今までやってきたことをやりなさい」と本来のスタイルを見失わないよう背中を押され、原点に立ち返った。

 勝てない理由にもとことん向き合った。「ストレートの数値がここ数年で一番悪かった」。今春キャンプで取り組んだカットボールの影響もあってか球速も落ち、フォークに手を出してくれない悪循環に陥っていた。直球を見つめ直し、1軍復帰した5日の阪神戦で今季最速152キロを計測。この日も5—2の5回1死二塁からサンタナ、オスナの主軸を直球勝負で右飛と二ゴロに仕留めた。「球速はそう出ていない真っすぐでも押せた。質は良かったかなと」。確かな手応えが残った。

 「苦しんだ分だけこの一球(ウイニングボール)が凄い欲しかった。これから逆襲が始まります」。言葉に迷いはなく、自信だけがみなぎっていた。(村井 樹)

 ≪2番目の難産≫開幕4連敗中だった戸郷(巨)が今季7試合目で初勝利を挙げた。巨人開幕投手のシーズン初勝利までに要した試合数では、74年高橋一三の18試合目に次ぎ、52年藤本英雄、66年金田正一の7試合目に並ぶ2番目の難産になった。なお、23年ビーディは30試合で0勝6敗と巨人開幕投手で唯一の勝利なし。今季12球団の開幕投手で未勝利はヤクルト・奥川だけとなった。

スポーツニッポン

「巨人」をもっと詳しく

「巨人」のニュース

「巨人」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ