ウイリアムズ育成マルタンスがスペインGPのFP1に出走。F1公式セッションデビュー果たす
2025年5月27日(火)23時55分 AUTOSPORT web

アトラシアン・ウイリアムズ・レーシングは5月27日、同チームの育成プログラムである『ウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミー』のビクトール・マルタンスが、5月30日に行われるF1第9戦スペインGPのフリー走行1回目に出走すると発表した。
マルタンスは現在23歳。フォーミュラ・ルノー・ユーロカップ参戦中の2018年にルノーの育成プログラムに加入。2019年シーズン後に一旦は同プログラムを離れるも、2020年にフォーミュラ・ルノー・ユーロカップのタイトルを獲得し、アルピーヌ・アカデミーへと名称を新たにしていた育成プログラムに復帰。以降、アルピーヌの育成ドライバーとしてFIA F3、FIA F2へ参戦。2022年にはFIA F3のタイトルを獲得した。
ただ、FIA F2昇格後はタイトル争いに加わることが叶わず、FIA F2参戦2年目の2024年シーズン終了後にマルタンスは長年在籍したアルピーヌ・アカデミーを離れることになった。FIA F2参戦3年目の2025年シーズンは当初、育成プログラムのサポートを得ない“無所属”として開幕を迎えたが、第2戦サクヒール(バーレーン)からはウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーに加入。宮田莉朋のチームメイトとしてARTグランプリからFIA F2を戦い、モンテカルロ大会を終えてランキング8位につけている。
また、マルタンスはアルピーヌ育成時代、そしてウイリアムズ育成加入後の今年もTPC(Testing of Previous Cars/F1が認可したプログラムによる旧型マシンでの走行)テストに参加しており、F1ドライブ経験は初めてではない。ウイリアムズ育成加入後は今回のFP1に向けた準備の一環として、イタリア・モンツァで同じくウイリアムズ育成のルーク・ブラウニングとともに2023年型マシン『FW45』のステアリングを握った経験がある。ただ、F1の公式セッションを走行するのは、アレクサンダー・アルボンのマシンに搭乗する今週末のスペインGPが初となる。
「バルセロナで初めてFW47のステアリングを握ることになり、とても嬉しいね」と、マルタンスはコメント。
「チームのためにドライブするのは、信じられないような経験になるだろうね。クルマに乗っている時間を最大限に生かし、自分にとっても、チームにとっても貴重なセッションになるよう、可能な限り準備に励んでいる。このチャンスを与えてくれたアトラシアン・ウイリアムズ・レーシングのみんなに心から感謝しているし、1秒1秒を楽しみたいと思っている」
そして、ウイリアムズのスポーティングディレクターを務めているスベン・スミーツは「ビクトールがバルセロナでアトラシアン・ウイリアムズ・レーシングから初のF1セッションに参加することを誇りに思う」と、コメント。
「彼は才能あるドライバーであることを証明し続けており、このセッションはアカデミーの一員として彼のキャリアを前進させる重要なステップとなる。我々のTPCプログラムへの参加とグローブ(イギリス・グローブにあるファクトリー)でのシミュレーターワークが彼にとって良い準備となり、今週末にガレージで彼に会えるのを楽しみにしている」