FIA-F2第8戦イタリア レース1:シューマッハーが念願のフィーチャーレース初優勝。角田裕毅は4位入賞
2020年9月6日(日)0時56分 AUTOSPORT web
9月5日(土)、2020年FIA-F2第8戦イタリアのフィーチャーレース(決勝レース1)がモンツァで開催され、ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が今シーズン初優勝。日本の角田裕毅(カーリン)は4位、松下信治(MPモータースポーツ)は15位、佐藤万璃音(トライデント)は20位だった。
気温30度、路面温度36.5度の快晴で、路面はドライコンディション。規定周回数は30周、タイヤ交換を伴う1回のピットインが義務付けられ、タイヤはソフトとミディアムが選択された。
レース前のポイントランキングは首位のロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)が132ポイント。2番手にカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)で122ポイント。3番手に111ポイントの角田となっている。
スターティンググリッドは、ポールポジションにアイロット、2番手に角田、3番手はルカ・ギオット(ハイテックGP)、4番手にクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)の順に。佐藤は13番手、松下は前戦ベルギーでの3グリッド降格ペナルティが適用され16番手から上位を狙い、シュワルツマンは15番手スタートとなった。
そして日本時間の23時45分、フォーメーションラップが開始、フィーチャーレースが幕を開けた。アイロットがホールショットを奪い、後方では7番手グリッドからシューマッハーがロケットスタートを決めて一気に2番手までポジションを上げて見せる。角田は1コーナーで集団に飲まれて4番手までドロップ。後方では大きな接触やトラブルなく全車1周目を完了した。
上位勢は各車1秒以内のマージンをキープしながら周回。5周目にはペースのいい角田がルンガーを1コーナーで制し3番手に浮上する。
だが角田以下4台ほどが団子状態で走行し、6周目の1コーナーにルンガーがイン、角田が中央、ルカ・ギオット(ハイテックGP)がアウトに並ぶスリーワイドで突入する。間に挟まれた角田にギオットが軽く接触し、ギオットはオーバーラン。角田はレコードラインを守りダメージこそないが4番手にドロップしてしまった。
しかし角田は落ち着いた走りを見せ、次の周には3番手まで回復した。またソフトタイヤスタート勢がこのあたりからピットインを開始。上位勢でまず動いたのは首位を走っていたアイロットで12周目にピットイン。角田も同じタイミングでタイヤ交換を行った。
だがアイロットはタイヤ交換作業が完了するもエンジンがストールしてしまい大幅にタイムロス。最後はクルーがマシンを押しながら送り出すが、勝負権を失ってしまった。
これで角田は見た目上16番手でコースインし、翌周にピットインした暫定トップのシューマッハーは角田の3.736秒前、14番手でコースに復帰している。
ソフトスタートで首位を走っていたギオットは15周目にピットインしタイヤを交換。実質的な首位争いは暫定13番手のシューマッハーを先頭に以下ルンガー、ギオット、角田の順で周回を重ねることとなった。
18周目あたりからはミディアムスタート勢がピットインを開始し、翌周には暫定2〜4番手の3台、ダニエル・ティクトゥム(ダムス)、ロイ・ニッサニー(トライデント)、松下がタイヤを交換。
20周目には暫定首位のユーリ・ビップス(ダムス)がピットインしたためシューマッハーが首位に復帰する。その3.557秒後方に2番手ルンガー、以下ギオット、角田、デレトラズ、シュワルツマンの隊列でレース残り3分の1に突入する。
ペースが良いのは痛恨のピットミスがあったアイロット。22周目にはマーカス・アームストロング(ARTグランプリ)を抜いて7番手まで挽回し、次の周ではシュワルツマンも攻略し6番手まで回復する。
後方では24周目にニキータ・マゼピン(ハイテックGP)が2度目のピットイン。レース序盤にニッサニーとのバトルでグラベルに押し出された影響かマシンに不調を抱え、ここでリタイアとなった。
アイロットは毎周のようにライバルを交わしていき25周目にはデレトラズを抜いて5番手に。次のターゲットは0.952秒前方を走る角田となる。
角田とアイロットとの対決が一旦落ち着くも、今度は2番手争いが激化。28周目の1コーナーでジリジリと差を詰めていたギオットがルンガーを捉えて2番手をもぎ取った。
このまま順位に変動はなくシューマッハーが今季初勝利。昨年ハンガリーのスプリントレース以来で、自身初のフィーチャーレース優勝を飾った。表彰式にはマッティア・ビノットチーム代表らフェラーリF1のスタッフも駆けつけシューマッハーを見守った。
2位には母国レースの維持を見せレースを盛り上げたギオット。3位にはルンガー。角田は4位でフィニッシュし、松下は15位、佐藤は20位でレースを終えている。
ポイントランキングは首位が134ポイントのシュワルツマン、同ポイントだが勝利数の差で2番手にアイロット、3番手には優勝したシューマッハーが131ポイント、角田は123ポイントで4番手となった。
スプリントレース(決勝レース2)は、9月6日(日)の18:10にスタートする。
■FIA-F2第8戦イタリア フィーチャーレース(レース1) 暫定リザルト
No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|
20 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 30Laps |
25 | L.ギオット | ハイテックGP | 3.185 |
6 | C.ルンガー | ARTグランプリ | 7.321 |
7 | 角田裕毅 | カーリン | 9.279 |
3 | 周冠宇 | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 12.553 |
4 | C.アイロット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 15.145 |
2 | D.ティクトゥム | ダムス | 15.291 |
11 | L.デレトラズ | チャロウズ・レーシング・システム | 17.561 |
21 | R.シュワルツマン | プレマ・レーシング | 18.228 |
8 | J.ダルバラ | カーリン | 21.154 |
1 | J.ビップス | ダムス | 23.947 |
12 | P.ピケ | チャロウズ・レーシング・システム | 25.004 |
9 | J.エイトケン | カンポス・レーシング | 27.859 |
5 | M.アームストロング | ARTグランプリ | 28.379 |
14 | 松下信治 | MPモータースポーツ | 28.666 |
15 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ | 29.257 |
16 | A.マルケロフ | BWT HWAレースラボ | 29.927 |
17 | G.アレジ | BWT HWAレースラボ | 30.343 |
22 | R.ニッサニー | トライデント | 33.081 |
23 | 佐藤万璃音 | トライデント | 51.408 |
10 | G.サマイア | カンポス・レーシング | 52.406 |
24 | N.マゼピン | ハイテックGP | DNF |