【宏太’Sチェック】J2札幌は「いい試合はしたのだが…」だけで終わらせない、ゴールへの道筋が見えてくるシステム作りを
2025年4月28日(月)6時35分 スポーツ報知
J2札幌
◇明治安田J2リーグ 第11節 大宮1−0札幌(25日・NACK5スタジアム大宮)
北海道コンサドーレ札幌が4試合ぶりに無得点に終わり、今季2度目の連勝はならなかった。アウェー・大宮戦は後半22分に先制を許す苦しい展開。その後は攻勢に出て相手ゴールに迫るも、ネットを揺らせず、0—1で敗れた。
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大宮戦は敗れたものの、今季11試合目で最も可能性を感じられた試合ではあった。宮沢が初めてスタメンを張り、途中から荒野、深井と30代の経験豊富な選手が入ったことで、全体が安定した。これまでは横や縦へのパスが多かったが、斜めにボールが入ることでゴールを見ながらプレーするシーンが増えた。光明が見えたのは確かだが、そこから勝ちにつなげるための要素となると、はっきり言って見つけられなかった。
ゴール前で決定的な仕事をできる選手が足りない。1トップのバカヨコがボールをロストしてばかりではきつい。彼を見ていて感じるのは、自分が何をしていいか分かっていないのではと。肝心な場面でゴール前にいないことも多いし、もう少し、すべきことを整理してあげてから使った方がいい。規律をしっかり覚えさせないと、周りもどう使えばいいか迷ってしまう。
今はまだ足場を組み立てているような状況だが、そこから前進していくには約束事を定める必要がある。左の高嶺からのサイドチェンジは素晴らしい精度を誇るが、相手の意表を突くようなタイミングでもないから対応されてしまう。高嶺のところにボールが行った瞬間にサイドの選手は裏に走るとか、オートマチックに動くこともしていかないと相手のDFラインも下げられない。FWにボールが入ったら自然に誰かが裏に走って誰かがサポート—となってくれば、バカヨコも理解しやすくなる。
決めごとをしっかりさせることで内容と結果は変わってくるもの。当たり前のことだが得点を取らないと勝てない。今後の戦いを「いい試合はしたのだが…」だけで終わらせないためにも、ゴールへの道筋が見えてくるシステム作りは考えてほしい。(吉原 宏太、1996〜99年札幌FW)