巨人の戸郷翔征「直球でもフォークでも三振が取れた、一ついい材料」…グラブたたき感情むき出しの場面も
2025年5月6日(火)6時0分 読売新聞
6回2死2塁、森下に適時打を打たれた戸郷(5日)=片岡航希撮影
阪神10−1巨人(セ・リーグ=5日)——阪神は六回以降に毎回得点を挙げ、今季初の2桁得点で快勝。森下は同点ソロを含む4安打4打点。巨人の戸郷は6回3失点。打線も四回以降無安打と沈黙した。
24日ぶりに一軍のマウンドに上がった巨人の戸郷は、立ち上がりから球速150キロ超を連発した。五回までに許した安打は森下に浴びたソロのみ。6回3失点でチームを勝利に導くことはできなかったものの、「また新たなスタートが切れた」と収穫はあったようだ。
先発ローテーション返り咲きへ、「枠が空いてるとは思っていない」と強い覚悟があった。表情には気迫がこもり、直球には力強さが戻った。二回は大山に対して直球を3球続け、152キロで空振り三振を奪うと、珍しくグラブをたたいて感情をむき出しにする場面もあった。
開幕から3試合で17失点、防御率11・12と不振を極め、ファーム再調整を命じられた。原点回帰を図ろうと、重点を置いて取り組んできたのは「投球の軸」と語る直球の質の向上だ。「力を入れて球速を求めすぎた」と、力むことなく強い球を投げることをテーマに立て直しを図ってきた。
戸郷は「ある程度、直球でも、フォークでも三振が取れたのは一ついい材料」と振り返った。それだけに、球威が落ちて許した六回の失点には悔いが残る。二死三塁から中野に三塁への適時内野安打を打たれた後、続く森下には外角への変化球を右前に落とされ、この回2失点。後を継いだ救援陣も崩れ、戸郷は「先発がいい流れを作っておけば、なかったかもしれない」と反省を口にした。
「球速も出ていたし、こういう投球が続けば勝ち星もつく」と、杉内投手チーフコーチは及第点を与えた。復活への光は見えたが、誰もが待ち望むのは、他を圧倒するエースの姿だ。(浜口真実)