【高校野球】ノックは一日12分の奈良が春初の近畿大会切符 東大4人京大27人合格 県下公立随一の進学校

2025年5月11日(日)6時0分 スポーツ報知

勝ち越しの右越え3ランを放ち、ダイヤモンドを一周する奈良・岡田宙大(カメラ・伊井 亮一)

◆春季奈良県大会 ▽3位決定戦 奈良6—3橿原学院(10日・さとやくスタジアム)

 奈良、兵庫、滋賀で決勝などが行われ、県立進学校の奈良が3位決定戦を制し、初の春季近畿大会(24日開幕、奈良・さとやくスタジアム)出場を決めた。天理は、橋本桜佑(おうすけ、2年)が奈良大会では夏と秋を含めて決勝戦史上初の無安打無得点を達成。2年連続25度目の優勝を飾った。

 土俵際でうっちゃった。2—3の9回、奈良は松本悠斗捕手の中犠飛で追いつき、なおも2死一、三塁。4番・岡田宙大(そらた)左翼手(ともに3年)が、右翼ポール際に勝ち越し3ランを放った。「とてもうれしい」。近畿大会初出場を決定付ける公式戦初アーチ。かみしめるようにダイヤモンドを一周した。

 昨秋は奈良大会準Vで34年ぶりに秋季近畿大会出場。1回戦で立命館宇治(京都)に1—4で敗れた。近畿の21世紀枠候補選出の期待が懸かったが、吉報は届かなかった。追い打ちをかけるように、吉村貴至前監督(52)が異動し、4月にOBの村田大祐監督(43)が就任した。「マジかよ!」。チーム内に不安が広がったが、「いい方で、選手に寄り添ってくれた」と米田朋恭主将(3年)。“継投”はスムーズだった。

 前体制時から練習は週に5日で、1時間半〜2時間程度。グラウンドは他部との共用で内野部分しか使えない。ノックは一日あたり6分×2度の12分しかしない。「十分。集中してやっている」と村田監督。着任後、試合直前を除けば、外野を含めたシートノックができたのは一度だけという。「前の監督(の時)から、選手が自分たちでメニューを考えてやっている」と指揮官が胸を張るように、主体性が実を結んだ。

 開催地の奈良県だけは、3位以上が近畿大会に出場できる。主将らけが人が出ながら、奈良の公立校が秋春連続で同大会に出場するのは、06〜07年の郡山以来、18年ぶり。「私だけが新参者。選手たちがよく戦ってくれた」と、村田監督は拍手を送った。23年度は東大に4人、京大に27人が合格した県下公立随一の進学校。19日から4日間はテスト、近畿大会開幕前日の23日は校外学習も控える。「各府県の1位が出てくる。格上なので、とても楽しみ」と、岡田は胸を躍らせた。甲子園常連校が集う大舞台で爪痕を残す。(伊井 亮一)

スポーツ報知

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