巨人の戸郷、糸を引くような直球で1勝目…失意の時に菅野から「何も変えるな」と電話

2025年5月26日(月)6時0分 読売新聞

ヤクルトに勝利し、マルティネス(左)からウィニングボールを受け取る戸郷

 巨人5—2ヤクルト(セ・リーグ=25日)—— 巨人が今季初の5連勝で2位浮上。二回に浅野の2点打、増田陸の適時打で3点を先制した。戸郷が6回2失点で今季初勝利。ヤクルトは引き分けを挟み5連敗。

 試合前、巨人の全体ミーティングで阿部監督が口を開いた。「なんとか戸郷に勝ちをつけよう」。目の前でその言葉を聞いたエースは「信じてくれた監督に応えたい」と奮い立った。

 3点リードの五回。一死二塁となり、失点した三回に連打を浴びた中軸を迎えた。試合の流れを左右する局面で「腹をくくった」。頼ったのは直球だった。

 サンタナに投じた7球のうち6球は真っすぐ。内角低めで詰まらせて右飛に仕留めると、オスナには4球続け、外角低めで二ゴロに。今季はここまで右打者に打ち込まれていたが、右の強打者2人を封じ、6回2失点で救援陣につないだ。

 開幕投手を任されながら、6戦未勝利。その間に二軍落ちも経験した。プロ7年目でぶつかった壁。わらにもすがる思いで神社に参り、塩で身を清めた。それでも、トンネルの出口は見えなかった。

 途方に暮れていた時、菅野(米オリオールズ)から電話がかかってきた。「何も変えるな」。巨人時代から手本にしてきた先輩に、積み上げてきたものを信じる大切さを説かれ、迷いが晴れた。春先は球速を求めていたが、「どれだけ速くても勝利がつくわけじゃない」。中4日で臨んだこの日は、140キロ台でも糸を引くような直球でコースを突き、打者を押し込んだ。

 今季初めてのお立ち台で「これから逆襲が始まります」と宣言した。尻のポケットには、ウィニングボール。「この1球がすごくほしかった。これを見ながら今夜は寝られそう」。エース復活のきっかけになるのなら、1勝以上の意味を持つ白星になる。(財津翔)

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