重岡銀次朗、開頭手術受け規定で引退へ JBC幹部困惑「試合でも危ないシーンはほぼなかった」

2025年5月28日(水)6時15分 スポーツ報知

重岡銀次朗

 プロボクシングの前IBF世界ミニマム級王者で、24日に行われた世界戦後に意識を失い緊急搬送された重岡銀次朗(25)=ワタナベ=が、右急性硬膜下血腫のため大阪市内の病院で開頭手術を受けたことが27日、分かった。日本ボクシングコミッション(JBC)が発表した。開頭手術を受けた選手は規定によりプロライセンスが失効し、現役引退となる。

 JBCの安河内剛執行理事は「現在は麻酔で眠っている状態で、ICU(集中治療室)で経過観察中」と説明。「脳の腫れが一番の敵になる。腫れをどう抑えるか。重岡選手自身が闘っている。無事を祈るしかない」と話した。前WBC同級王者の兄・優大(28)=ワタナベ=と父・功生さんが付き添っているという。

 重岡銀は24日、インテックス大阪で昨年7月に王座を奪われた同級王者ペドロ・タドゥラン(タイ)と再戦し1—2の判定で敗れた。判定を聞いた後、何度か両手でこめかみのあたりを押さえるしぐさを見せ、コーナーに戻り椅子に座ると意識がもうろうとなった。優大が「おい銀、銀、ちょっと返事して。ここで切らすな。集中しろ! 最後まで頑張れ!」と声をかけ続けたが意識が戻らず。担架に乗せられリングを下り、病院に搬送され緊急手術を受けた。

 試合にも立ち会っていた安河内氏は「朝の当日計量でもいつも通り落ち着いていた様子が印象に残っている。試合でも危ないシーンはほぼなかった。これが、という原因が特定できない」と困惑の表情で語った。前世界王者が、世界戦で倒れた。「僕らは結果を受け止めなければいけない。硬膜下血腫で緊急手術をしたという結果は非常に重い。今後もどんどん試合が続いていく。一つのミスも許されない」と神妙な面持ちで言葉を絞り出した。(勝田 成紀)

 ◆急性硬膜下血腫 頭部外傷によって、脳を覆う硬膜と脳の間に出血が起こり、血腫が生じること。受傷直後に意識障害を伴うことが多いのも特徴。主な原因は、頭部外傷によるもので、交通事故や転倒した際の強い衝撃などが挙げられる。

 ◆重岡 銀次朗(しげおか・ぎんじろう)1999年10月18日、熊本市生まれ。25歳。幼稚園から小学6年まで空手。小学4年から並行してボクシングを始める。小学5年からU—15全国大会5連覇。開新高で5冠。アマ戦績56勝1敗。2018年9月にプロデビュー。19年7月にWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座、22年3月に日本同級王座、23年4月にIBF同級暫定王座獲得(2度防衛)。戦績は11勝(9KO)2敗1無効試合。身長153センチの左ボクサーファイター。

スポーツ報知

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