自律神経の名医・小林弘幸が紹介する<夕飯のポイント> 冷たいものには、酸味か良質な油をちょい足しがオススメ
2025年5月26日(月)12時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「自律神経を整えたらココロもカラダも調子がよくなって、表情も明るくなって、パフォーマンスもアップする」と話すのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授。そこで今回は小林教授の著書『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』から一部を抜粋し、<不調をなくす自律神経の整え方のコツ>をお届けします。
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夕食は寝る3時間前までになるべくすませる
● 夕食後すぐに寝てしまうと眠りが浅くなり、翌朝は胃が重く疲れた状態で1日を始めることになるので要注意。
● 午後10時〜午前2時=「腸のゴールデンタイム」。副交感神経が優位になり、腸が食べものを消化する大事な時間。
● 就寝前にゆったり過ごすことで、体がオンからオフに切り替わり、睡眠の準備が整っていく。
腸のゴールデンタイムで副交感神経を優位に
食事を終えると腸が働き始めて副交感神経が優位になっていき、自律神経のバランスは「お休みモード」へ。この切り替えが食後の3時間で行われます。就寝前にリラックスタイムを作り入浴も余裕をもってできると、疲れが残らない質のいい睡眠をとることができます。
夕食はなるべく温かいものをとる
● 温かいもので心がほっこり。疲れが癒される。
● 温かい料理や飲みものをとると、副交感神経が活発化。
● 冷たいものを口にするときは、酸味か良質な油をちょい足し。
気持ちを落ち着かせて自律神経のバランスを整える
仕事で疲れたりストレスを感じたときこそ、みそ汁や熱々のおかずなど、温かい料理をとると、気分が落ち着いて元気になるものです。胃腸の血流を促し、副交感神経の働きを高め、乱れた自律神経のバランスを整えてくれるので、特に1日を締めくくる夕食では冷たいものを避けましょう。
とはいえ、夏の暑い日など温かいものを受けつけないときは、冷たいものに酸味や良質な油のちょい足しを。酢やレモンなどの酸味をとると、胃腸が排泄反射を起こして副交感神経が活発化します。またオリーブ油など良質な油は、便通をよくして副交感神経の働きを高めます。
よく噛んで食べるだけでカロリーオフになる
● よく噛むことで満腹感を得やすくなる。
● 噛めば噛むほど、表情筋がゆるんで副交感神経の働きを高める。
● 腸内環境が整い、消化・吸収がスムーズになって便秘改善にも。
● 肝臓の機能が高まって代謝アップ。太りにくく疲れにくい体に。
(写真提供:Photo AC)
ゆっくりよく噛んで食べると心身のパフォーマンスも変わる
よく噛まずに早食いすると、なかなか満腹感を得られずドカ食いの原因に。また、ガツガツと食べることで交感神経が過剰に上がり、副交感神経の働きが低下してしまいます。すると、腸の動きが鈍くなり、肥満・メタボにつながります。
ゆっくりよく噛んで食べるだけで、副交感神経の働きを高め、腸内環境が整って代謝も上がり、太りにくい体に変わります。さらに、ストレスからの暴飲暴食も防げて、自律神経が高いレベルで安定し、心身のパフォーマンスもアップ。よく噛む=咀嚼は、脳を活性化する働きもあるので、脳活にもピッタリです。
※本稿は、『オトナ女子の不調をなくす自律神経整え方BOOK ココロとカラダをお手入れする100のコツ』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
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