広島・田村俊介は1軍出場10試合で侍ジャパン選出 代表最年少メンバーのキャリアを振り返る

2024年3月3日(日)17時53分 ココカラネクスト

田村のポテンシャルを井端監督は高く評価しているようだ(C)産経新聞社

 3月6、7日に行われる侍ジャパンの強化試合・欧州選抜戦のメンバーが発表された。今秋のプレミア12に向けて新戦力発掘が大きな目的となり、多くの初選出者が生まれた。その中から今回は田村俊介(広島)について紹介したい。

 1軍出場わずか10試合で代表トップチーム入りーー。

 異例とも言える今回の田村の選出。ただ、井端弘和監督に言わせると不思議なことではないようだ。

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「周りが言うほど驚く選出ではないと思っています。近い将来、それが次のWBCなのか、次のオリンピック予選やオリンピックなのかは分かりませんが、いずれ必ず代表に入ってくる選手だと思います。田村選手もまた“その時急に”というより一度ユニホームを着て、近藤選手、村上選手、源田選手らを間近で見て、今後に生かして欲しいなと思いました」(侍ジャパン公式サイトのインタビューより引用)

 このように、井端監督は「いずれ必ず代表に入ってくる選手」と絶賛。同じ左打者の近藤健介(ソフトバンク)、村上宗隆(ヤクルト)、源田壮亮(西武)を引き合いに出して、田村にエールを送っている。

■高校時代は二刀流
 田村は京都府出身で、今季が高卒3年目の20歳。今回のチームでは最年少にあたる。

 明徳義塾中での全日本準優勝の実績を引っ提げ、愛工大名電高に進学。1年夏からエースナンバーを背負い、二刀流選手として実力を発揮した。3年春の愛知県大会では左投げでは異例の三塁手を務め話題に。アイデアマンとして知られる同高の倉野光生監督らしい柔軟な発想だが、それも田村の卓越した野球センスあってこそだ。

 最後の夏は甲子園に出場するも初戦敗退。ただ高校通算32本塁打&最速145キロの田村をプロ球界は放っておくことなく、広島がドラフト4位で指名。外野手としてキャリアをスタートさせることになった。ちなみに、田村の打撃はチームの大先輩・前田智徳氏を彷彿させるが、その前田氏もドラ4でのプロ入りだった。

■2年目で才能の一端を披露
 ルーキーイヤーは2軍で鍛えられ、43試合に出場。打率.185、0本塁打と結果を残すことができなかった。2年目の昨季は1軍キャンプに抜擢されると完走を果たし、オープン戦でも“プロ1号”となる本塁打を放つなど活躍。見事に開幕1軍の切符をつかんだ。

 その後2度の昇降格を経て、9月12日に3度目の1軍へ。同日のヤクルト戦(神宮)で早速スタメン出場すると、第2打席でプロ初安打をマーク。サイスニードからセンター前に運ぶヒットだった。

 翌日も安打を放つと、9月14日のヤクルト戦(神宮)では高橋奎二からプロ初の二塁打。同15、16日の阪神戦(マツダ)では2試合続けての複数安打。出場すれば必ず安打を放つ状況が続き、CS争い真っ只中のチームの中で立派な戦力となっていた。

 しかし、好事魔多しとはこのことを言うのだろうか。9月17日の中日戦(バンテリンD)で齋藤綱紀の投球が左手小指に当たり、結果は骨折。そのままシーズンを終えてしまった。

■西川の穴を埋める最有力候補
 昨季の死球による離脱は不運だったが、ここから田村は成長を止めることなく、3年目を迎えた。

 2月17日のロッテとの練習試合(コザ)では、対外試合最初のスイングで右翼へ本塁打。オープン戦では本塁打こそないものの、打率.286とまずまずの成績(※3月2日現在)。初戦の中日戦(北谷)ではWBC戦士で同じ愛知県で鎬を削った髙橋宏斗から三塁打を放っている。

 チームは西川龍馬(オリックス)が抜け、外野のポジションが空いている状況。田村にとってはレギュラー奪取のチャンスだ。侍ジャパンでインパクトを残して、勢いに乗っていきたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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