「問題児」オコエ指名の巨人は再生できるか
2022年12月11日(日)6時0分 ココカラネクスト

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出場機会に恵まれないプロ野球選手救済と移籍活性化を目指した初めての試み「現役ドラフト」が9日、開催された。12球団から1人ずつ、計12選手が新天地へ移籍することになった。
内訳を見ると、2チーム間の交換トレードの形が1組、3チーム間の三角トレードの形が2組、残る4チーム間のトレード、という構図になった。
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※()は前球団
◆2チーム「トレード」
中日 細川成也(DeNA)
DeNA 笠原祥太郎(中日)
◆3チーム「トレード」
ロッテ 大下誠一郎(オリックス)
オリックス 渡辺大樹(ヤクルト)
ヤクルト 成田翔(ロッテ)
◆3チーム「トレード」
巨人 オコエ瑠偉(楽天)
楽天 正隨優弥(広島)
広島 戸根千明(巨人)
◆4チーム「トレード」
ソフトバンク 古川侑利(日本ハム)
日本ハム 松岡洸希(西武)
西武 陽川尚将(阪神)
阪神 大竹耕太郎(ソフトバンク)
当初は、現役ドラフトといってもどのような選手が出てくるか不明だったが、意外にも今季1軍でプレーした選手や実績ある選手も指名された。とくに注目されたのは、楽天のオコエ瑠偉外野手(25)を巨人が指名したことだった。
指名12選手で、オコエは唯一のドラフト1位入団。関東一高から15年に楽天入り。通算成績は236試合で9本塁打44打点、打率.219、20盗塁。近年はケガで苦しみ、7年目の今季は自己最少6試合の出場にとどまっていた。
オコエは私生活も注目を集めてきた。元々陽気な性格で知られ、モヒカンなど目立つ髪型を好み、過去には自身の年俸以上の高級車を購入したことでも話題を呼んだ。ときに夜遊びを週刊誌にフライデーされたり、今どきの選手では珍しい豪快な面も知られている。
ただ野球で結果を出せないため、歴代の指揮官を怒らせてきた。「野球をなめている(梨田監督)」「おれが髪を切ってやる(平石監督)」「考えが甘い(石井監督)」。歴代監督がゲキを飛ばし、あの手この手で刺激を与えてもオコエには響かず、チーム内でも厳しい立場に追い込まれていた。
そんなオコエを「紳士たれ」の巨人が指名したことが、ファンの間でも意外だったようで、SNSでは「暴力沙汰を起こした中田翔を日本ハムから引き取って、今度は問題児のオコエ。巨人が更生施設みたいになってる」などと、話題になった。
かつての「野村再生工場」のように、戦力外同然の選手を再活躍させることが今回の現役ドラフトの大きな狙い。伸び悩むオコエが、やんちゃでありあまるパワーを野球にぶつけてブレークするようなことになれば、巨人首脳陣の手腕が注目を集めることになるだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]