“生命線”を粉砕された佐々木朗希は「異質な存在」 議論百出となった降板で米記者が呈した課題「新たな武器以外に解決策はない」

2025年5月11日(日)5時30分 ココカラネクスト

ダイヤモンドバックス戦では生命線となった真っすぐを打ち砕かれた佐々木。(C)Getty Images

 不安定さを露呈する内容に波紋が広まった。野球ファンや識者の間で議論百出となったのは、現地時間5月9日に敵地で行われたダイヤモンドバックス戦に先発した佐々木朗希(ドジャース)の投球内容だ。

【動画】佐々木朗希の真っすぐを逆方向へ…ダイヤモンドバックス戦での被弾シーン

 プロキャリア初の中5日でのマウンドで“らしさ”を欠いた。1点のリードをもらった直後の初回、一死無塁の局面で迎えたケテル・マルテに94.8マイル(約152.5キロ)の4シームを打たれてソロ本塁打を被弾。さらに2死二塁から対峙した5番エウヘニオ・スアレスにも右中間への2ランを浴びるなど3失点を喫した。

 その後、2回と3回はスコアボードにゼロを刻み、立ち直ったかに見えた佐々木。しかし、4回に先頭打者のスアレスに左翼線を破られる二塁打を打たれると、2つの内野ゴロで1失点。2アウト後には2つの四死球を与えてピンチを招くなど、ふたたび精彩を欠く。そして続く5回の先頭であったマルテに四球を出したところで降板を告げられた。

 投球の生命線と言える4シームでぐいぐいと押していく投球は鳴りを潜めた。実際、この日に最速97.5(約156.9キロ)を記録した佐々木の真っすぐは、ダイヤモンドバックス打線にことごとく捉えられた。マルテとスアレスに打たれた本塁打はいずれも4シームを完璧に粉砕されたものだった。

 4シームが軸にならなければ、やはり佐々木は途端に崩れていく。その不安定さには、鵜の目鷹の目の米メディアからもシビアに見られている。ニューヨークを拠点に置くプロスポーツを執筆している『Empire Sports Media』の敏腕ジャーナリスト、ライアン・ガルシア氏は自身のXで「ロウキ・ササキの防御率は、彼がどれほど苦戦してきたかを正当に反映していない」と断言し、「彼の速球は非常に打たれやすく、頼みの綱はスプリッターのみだ」と酷評した。

 さらに米メディア『The Athletic』のファビアン・アルダヤ記者は、「ドジャースの中で依然として異質な存在」と佐々木の現状をリポート。その上で本人が越えるべき課題を突き付けている。

「今はまだ十分にやれているようには見える。とくに4シームとスプリットでストライクが取れる日は。だが、アメリカで許されるミスの幅が狭まっているのも事実だ。まず制球力を損なわない程度に球速を回復させること、そしてコマンドの向上、あるいは打者に速球を当てさせない新たな武器を身につけること以外に、ロウキの明確な解決策はない。少なくともメジャーリーグにおいて」

 おそらく今後も佐々木はメジャーという大舞台でチャンスを与えられる。無論、内容次第で賛否両論が渦巻く過酷な勝負の中で怪物はどう成長を遂げていくか。一挙手一投足への興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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